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アンダンテ靴工房は東急東横線自由が丘駅から徒歩10分、東急大井町線緑ヶ丘駅から徒歩5分、東急目黒線奥沢駅から徒歩7分のところにあります。
靴作り教室とオーダー靴の工房です。

タグ:靴教室

Nさんの新作、黒一色で統一されたサンダル、コロナ禍によるブランクを乗り越えての完成です。

黒に塗られたウエッジソールは、写真ではわかりにくいですが、革板を積み上げて作ったソリッドなリアルレザーウエッジソールなので、そこそこの重みがあり安定感抜群です。ただ、このウエッジソール、中底とピッタリに合うような形状に削って調節する必要があり、その作業がかなりの難易度だったりします。Nさん、コロナ禍のブランク明け一発目の作業がこのウエッジソール製作だったので相当荷が重かったと思いますが、なんとか無事に完成させることが出来ました。

両サイドに紐を通して結ぶ作りになっていますがこれは飾りで、踵にジッパーがついているので、ジッパーの開閉のみで楽に脱ぎ履きできるようになってます。
あと、トングサンダルは鼻緒が強く当たって痛くなりがちですが、今作は甲でフィットさせて、鼻緒にはほとんど負荷がかからないよう調整済なので、ガンガン履いても大丈夫です。
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Sさんの新作、ストレートチップが付いたフラットパンプスの完成です。

Sさん、ヒールの高い靴がお好きなのですが、ヒールの靴を履くと足が痛むようになり、最近はもっぱらローヒールを履いているとのこと。今回はローヒールでも好きな素材、デザインで愛着を持って履ける靴を目指して製作に臨みました。

写真ではわかりにくいですが、アッパーには深い紫と緑のエナメル2色使いで、履き口には紫のパイピング、アッパーと靴底の間には同じく紫の押し縁をあしらっています。ストレートチップと、踵のパーツ、ヒール巻きには穴飾り、革底の底面には紫のゴム、そして飾りコテを縦横無尽に転がして独特の模様をつけるなど、フラットパンプスの限られた面積の至る処に装飾要素を盛り込んでいます。
踵のトップにはループを付けて、アンクルストラップ風に足首にリボンを巻いたりなども出来るよう、履き方のバリエーションを広げる工夫もされており、楽しみながら長く履ける靴として今後活躍することでしょう。
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Uさんの新作、パステルイエローが目を引く編み編みサンダルの完成です。
編み編みの革って見ため面積の倍の面積の革が必要なんですが、今回の編み編みは薄く漉いた革を折りたたんで編んでいるため、見た目面積の4倍の面積の革を要しました。
折りたたんで編んでいるため、厚みのコントロールが難しく、ぎゅうぎゅう詰めに編んだ革をペタンコに圧縮しながら組み立てていくのに苦労しました。
中底に巻いたアッパーの厚みがなかなかのもので、それに見合う中物を詰めたため、靴底を装着するのもかなり強引に圧着機にかけなければなりませんでした。
出来上がってみると見た目からは想像もつかないくらいガッチリ、ずっしりしたサンダルとなりましたが、履いてみると意外と重みが安定感となり履き心地は悪くないとのことです。
サンダルはシンプルなデザインだと簡単に作れそうな印象を持たれがちですが、案外、工夫と手間暇が必要な場合が多いです。
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Fさんの新作、分厚いオイルレザーで作ったモンクストラップの完成です。
革の質感にも様々な魅力がありますが、一般的に光沢やキメの細かさ、透明感の感じられる色合いなどに重点を置かれることが多いように思います。中には、独特の皺や天然の模様などがありがたがられることも。
今回の革は一見普通の黒い革ですが、この革の特徴はズバリ、「経年変化」「エイジング」。
黒く染められているのは表面のみで、下地にはあらかじめ茶色が染められています。これにより、履けば履くほど、表面の黒が擦れれば擦れるほど、だんだんと下地の茶色が浮き上がり独特の黒と焦げ茶色のグラデーションが表れてきます。
この手のエイジングを楽しむ革はあまり神経質にならずに、むしろガンガン履いてどんどん変化を楽しんでほしいと思います。
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Aさんの新作は、人から依頼されて作ったちょっと特殊なベビーシューズ。
足に問題を抱え、市販の靴が履けないお子様のために、採寸、専用木型、仮靴まで製作し、デザインや素材の打ち合わせをしてのフルオーダーメイドベビーシューズとなりました。

ベビーシューズで専用木型から製作するものってなかなか無くて、あってもデザインがいまいち好みでなかったりする場合がほとんどなはず。そんな中、こういうオーダーメイドの存在価値はかなり大きいと思います。

甲のストラップは取り外しが可能で、色違いのストラップと交換できたり、タッセル付きのフリンジに通して全く別の靴に変身させられるというアイデアも盛り込まれるなど、今まで可愛いデザインの靴を選べなかった分、少しでも楽しんでもらえるように、というAさんの配慮が溢れています。
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