andante_jiyugaokaのblog

アンダンテ靴工房は東急東横線自由が丘駅から徒歩10分、東急大井町線緑ヶ丘駅から徒歩5分、東急目黒線奥沢駅から徒歩7分のところにあります。
靴作り教室とオーダー靴の工房です。

タグ:製作事例ー8

IMG_3437IMG_3438IMG_3439

IMG_3440IMG_3441
IMG_3442IMG_3443
仮合わせから、随分と月日が経ちましたが、先日、無事納品に至りました。

ヌーディーカラーのエナメル、いいですね。
前回の仮合わせでの修正点は、ハンマートゥ対策と外くるぶしのアタリでした。
完成品を履いてみたところ、前回の問題点は全て解消され、しっかりフィットしていました。

世間にオーダー靴は数あれど、木型からその人の足に合わせて作るフルオーダーの靴というのは、かなり高価な世界の話になります。
アンダンテ靴工房では、基本形状の木型の表面にロウで形状修正を施すことで暫定的な専用木型とし、それを用いてその人の足にぴったりの靴を作る手法をとっています。納品が終われば、一定期間内のリピート注文がない限り、その木型は別の人のために、新たな形状修正が施されて、使用されます。
このような、繰り返し同じ木型を不特定多数の人に使用できる手法により、フルオーダーでも、パターンオーダー並みの価格設定で提供することが可能なのです。 

紐靴やブーツなどは、仮靴でもフィッティングに問題なければ、その役目を全うし、本縫いの靴が納品された後も、雨の日用とかちょこっと外出用とかの補欠ポジションを与えられ、そうした余生を過ごすこともあるようですが、それはパンプスの仮靴にとっては無縁の話です。
数ある靴の中でも足合わせが最も難しいこのパンプス、とりわけヒールの高さがあるプレーンパンプスの仮靴は、試着時の状態に関わらず、ちゃんと足が予定通りの収まり方をしているかどうか、踵と爪先を切り開いて確認します。
IMG_2445IMG_2444


これで予定通りならひとまず成功といえますが、予定通りで無い場合、様々な要因が想定され、そのひとつひとつを整理しながら原因究明しなければならず、だから、その人の足の特徴といいますかクセといいますか、それをいかに的確に捉えられるかが問われます。そして時にそれがかなりの難題であったりします。

フィッティングにおいて、甲が無いプレーンパンプスは究極です。試着の時の緊張感はえも言われぬものがあります。
それは楽しくもあり、時に苦しくもあります。
以前、あるお客さんの足と靴がどうしても合わなくて、その原因を悶々としながらひたすら考え、考えながらスーパーで買い物をしていたら、無意識のうちに欲しくもない食パンを3斤も買っていて我ながら驚いた、なんてこともあったほどです。

今回の試着、くるぶしの当たりや履いた時だけハンマートゥ気味になる指の対策は必要ですが、とくに大きな問題はなく、 今夜はぐっすり眠れそうです。

↑このページのトップヘ