Mさん渾身の3足目。ムラ感のある赤茶の革で、ひと味違うローファーの出来上がりです。
履き口に施されたイタリアンテープは甲と踵のぐるりを一周していて、いわゆるコインローファーとは違う作りになっており、その作りはフィット感の向上に一役買っています。
Mさんの足は「こんにゃく足」で、一足目の時は、そのことを見抜けず、ブカブカの出来上がりになってしまいました。それは中敷調整でなんとか履けるようにはなりましたが、なんとも釈然としない結果に終りました。二足目はサンダル。この時は、仮釣り込みの時に一度木型を抜いて試し履きできたので、その時に調整してフィットさせました。ただ、サンダルでなければ、また緩いフィット感に仕上がっていたのは明らかで、Mさんの足がこんにゃく足であることをこの時に確信しました。
今回、ローファーを作るにあたって、ヒールの高さは4センチに変更、1からの木型修正でどの程度絞れば良いのかまだはっきりとわからなかったので、片足のみ、あり得ない程度まで絞り込んだ木型での仮靴を製作。それを履いてみて、キツいところを切開し、その広がった分だけ寸法を計って、再度、木型を微調整するという やり方をとりました。今回はどうしても3度目の正直といきたかったのです。
結果は、若干の微調整をして、ほぼぴったりのところまで辿り着くことができました。
ふう、開講以来、これほど苦戦した足の人はMさんだけ。
Mさん、長らくお待たせをいたしました。これからはピッタリフィットしたこだわりの靴を楽しんで下さい!