







スタディーコースSさんの新作は、エナメル革を編み編みにしたロングブーツです。
今回、Sさんがすでに所有している編み編みのバッグと同様の素材、デザインでブーツを作って、ドンピシャコーデで街を練り歩く!というねらいで製作スタートしました。
当工房では生徒さんのリクエストがあれば、それに応えるべく、望みの色や質感の革を探しに浅草まで私が行くのですが、イメージのまんまの革というのは、まず見つかりません。浅草にはたくさん革問屋があり、どんな色の革でもありそうな感じがしますが、実際に行ってみれば、それはとんだ誤算だとすぐに気づくでしょう。黒や茶系ならまだ近いものが見つかりますが、それ以外の色味にこだわると、とたんに見つけられなくなるのです。
今回は紫のエナメルという指定でした。
日を遡ること数か月前。「『紫』『エナメル』『今日というタイミング』この3つの条件を同時に満たすなんて不可能、これは不可能。無理。至難。ミッションインポッシブル。」と呟きながらの浅草での革探しでしたが、なんと!紫でかつエナメルの革がその日に売られている。という奇跡が起こり、すごい握力で鷲づかみしてレジに走りこんだことを今でも覚えています。まあ、若干、紫の色味は違っていましたが。





編み編みをよく見てみると、一本一本の細帯状の革は一定の幅ではなく、少しずつ幅を変えて波打つような表現がされています。他の生徒さん達から質問攻めにあうほど、見どころはたくさんあって、細かいブローギングやメダリオン、底面にも穴飾りを施すなど、もうここまで来たら徹底的にやってやろうというSさんの気合いが感じられます。




フィッティングは仮靴を作って確認済み。思い存分、街を練り歩いて下さい!