andante_jiyugaokaのblog

アンダンテ靴工房は東急東横線自由が丘駅から徒歩10分、東急大井町線緑ヶ丘駅から徒歩5分、東急目黒線奥沢駅から徒歩7分のところにあります。
靴作り教室とオーダー靴の工房です。

タグ:スタッズ

Uさんの新作、通常穴飾りにするところを全てスタッズに置き換えたフルブローグの完成です。
光沢のある黒とスエード黒のコンビであることに気づきにくくなるほどスタッズに目がいきます。
このデザインを実現させるためにまず必要だったことは、2ミリ径と1ミリ径のスタッズの調達でした。
2ミリ径は売っていましたが、1ミリ径は売っておらず、苦肉の策として1ミリ径のアルミのリベットを使用することに。
アルミのリベットを革に差し込み裏からワッシャーをはめ込み、専用の工具でカシメて固定。と、こう書けば簡単そうですが、無数の極小リベットをピンセットとカシメ工具を駆使して革に固定していく作業は、見ていて、時折聞こえてくるうめき声も相まってもはや終わりの見えない何かの修行かと思えたほどでした。
さらにこの靴、革底を手縫いで縫い付けるハンドソーンウェルテッド製法で作ったため、実に製作期間2年近くかかってます。
その分、完成した時の達成感たるや「しばらくは履かずにこれ眺めながら一杯呑む。」の本人談から推して知るべしであります。
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Tさんの新作(もう何作目かわかりません。)、履き口にスタッズを並べたフラットパンプスの完成です。
今作品の特徴はスタッズだけではなく、袋縫いという製法で作られていることも挙げられます。
袋縫いとは、ステッチが表面に現れない作り方で、独特の柔らかい表情に仕上げることが出来ます。
ただし、パンプスで袋縫いをする場合、つり込みが非常に難しくなります。これについての解説は割愛しますが、Tさんも例にもれず、大苦戦しながらの作業でした。
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靴作りの楽しさは、ただ欲しいデザインの靴が履けるというだけではなく、作業の難しさを体験し、次はもっとうまくやろうという課題が生まれるところにこそあると言えます。


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スタディーコースのIさんの2足目は、大ぶりなストラップ、履き口にはスタッズをあしらったパンプスを作りました。
今回のパンプス、オレンジ色に染められた革底を、手縫いによるマッケイで底付けされてあり、その縫い目はヒール付近まで達しています。
Iさん、このマッケイ縫いは耐久性の他、デザインとしても取り入れていて、なるべくこの縫い目を見せるために着地の部分に貼った滑り止めのゴムも、縫い目の内側に納められています。ただ、そのままでは防水の面で難ありなので、縫い目には透明のゴムをコーティングしてます。密かに手間暇かかってます。ちょっとしたこだわりで愛着倍増です。 
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Iさんの足は左右差があり、既製靴では決して合わないのですが、そこは左右差を反映した木型でバッチリフィットです。 

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履き口にズラリ並んだスタッズが目を引く、ロックテイストなフラットパンプスの完成です。
Sさん、これまでは6センチヒールの木型を使って色々と作ってきましたが、 今回はフラットパンプスに挑戦しました。

フラットのパンプスは、踵のホールドが甘いと、すぐに抜けてしまいますので、木型の修正も細心の注意が必要です。あと、スタッズの取り付け位置もこれまた微妙です。ある程度等間隔をキープしながら、しかし、痛くなりそうな所はうまく避けて並べなければなりません。母趾球の上辺りに不穏なムードが漂ってますが、さて、結果はどうだったのでしょうか?
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結果は、踵も抜けずスタッズの当たりも無く、 無事に収まってくれました。ふぅ〜。
 

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