andante_jiyugaokaのblog

アンダンテ靴工房は東急東横線自由が丘駅から徒歩10分、東急大井町線緑ヶ丘駅から徒歩5分、東急目黒線奥沢駅から徒歩7分のところにあります。
靴作り教室とオーダー靴の工房です。

タグ:シューズマシンセンター

浅草は多くの文化芸能が発展した土地として有名ですが、古くから履物文化が栄えた地でもあります。
浅草から南千住に至るまでのあちこちに靴屋はもちろん、靴メーカー、靴用品店、靴のパーツ、靴材料、靴道具、革問屋、ミシン、靴関係の機械など、靴にまつわるほぼ全てのジャンルが一堂に会する、靴職人御用達の問屋エリアがあります。
一昔前から比べるとその規模、密度は半分以下に減ったとはいえ、今でも靴作りに関わる者は足繁く通い、お世話になっていることに変わりはありません。

そのエリアのメインストリートともいえるのが東京都道464号言問橋南千住線、通称「吉野通り」です。
この通りを歩けば、およそ靴作りに必要なものは、とりあえず全部揃うのではないでしょうか。
浅草〜南千住間を歩いているわけで、決して短い距離ではありませんが、靴作りに携わるものにとって、見所満載、ショッピングしながら充実のぶらり街歩きができて、まったく距離を感じさせません。

常に観光客で賑わう浅草から、漫画「あしたのジョー」の舞台に程近い南千住にかけての空気感、世界観のギャップも楽しめて、楽しんでいるうちに気がつけば、いつもコース終盤には肩がひきちぎれんばかりの荷物を抱えてしまっているのです。

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IMG_1844セイコーの上下車輪総合送り、自動糸切り機能付き。モーターは三菱サーボモーターの新品です。

一般的な革用ミシンは腕ミシンにせよポストミシンにせよ、縫い合わせる対象物の下から波板状の部品が、ちょうどボートのパドルで水をかく動きのように、わずかな上下運動を伴いながら前後に動き、対象物を奥へ奥へと送ってゆく構造なのですが、このわずかな上下運動に慣れるまでにかなり時間がかかりますし、送っては戻り送っては戻りを繰り返す、この限りなく連続に近い断続運動を通して、カーブを思いのままに縫いあげるには、ある程度の訓練が必要になってきます。

ミシンに触れる機会が4〜5ヶ月に一度の趣味コースの生徒さんが、ミシンを操ることに慣れるのは、ほとんど不可能に近く、革を縫う、というやり直しのきかない作業を前にして不安と戦い、それでも理想の靴の姿を思い描いて、気合い一発、ミシンの前に座り、深呼吸の後、一針入魂、ペダルを踏み込んではみるものの、およそ5秒を待たずして、絶叫マシンにライドオンしているかのような奇声を終始連発した挙げ句、縫いあげられたその折れ線グラフのごときステッチワークを震える手で持ちながら、しみじみと眺め、うなだれ、意気消沈、意気沮喪、戦意喪失していく後ろ姿を見ないで済むようにと選んだのが、このミシンです。

上下の送りが回転運動によって常に対象物を捉え、奥へと送りながら、縫い込む針さえも前後に動きながら運針するという構造と、モーターの超低速設定によって、初めてミシンを扱う方でもかなり綺麗に縫うことができます。生徒さん目線で見て、もうこれ以上のミシンはないのではないでしょうか。
実際、生徒さんたちが使ってみたところ、やはりこの選択は正解でした。

靴底圧着機と共に浅草のシューズマシンセンターで購入。社長さんは一見ぶっきらぼうな感じですが、わざわざここまで運んで下さって、とても丁寧にレクチャーして下さいました。
付属品も色々と付けていただき、本当に感謝しています。ありがとうございました。



 

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