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古いパフです。

ミシンを踏み始めて間もない頃、いくら練習に練習を重ねても、安定した綺麗な縫い目が出来なくて、こんなに毎回、毎足、息を止めて縫うこの感じで製甲に臨まないといけないのかと思うと、ひどく気が重くなったものでした。
ミシンを購入するにあたり、当初は腕ミシンで検討していて、ミシン屋さんにもそのつもりでお願いしていたのですが、偶然にも予定していた腕ミシンと同時に、パフのポストミシンが入荷されたので、一度試してみないかということになったのです。

「パフ」というドイツのメーカーが世界的なミシンのトップメーカーであることを知ったのは、購入を決めた後のことで、国産のミシンメーカーはパフのミシンをこぞってお手本にしたとか、(前回記事のセイコーのミシンもパフの同機構のものをお手本にしたらしい。)新品の値段は国産の倍ほどしていたとか。それが本当かどうかは分からないけれど、そう聞いてもなんら不思議に思わないほど、このミシンのすごさは初めて踏んだ瞬間から伝わってきました。

前回のセイコーのミシンのように上にも送りがついているわけではないので、革の段差を乗り越えていく力や数枚重ね合わせた場合のずれの無さなどはセイコーに及びませんが、スピードに慣れさえすれば、平坦なものを縫う時のなめらかさ、カーブを思いのままに縫っていく感じはこのミシンの方が上です。

中古のミシンは一期一会の出会いです。 このミシンを使うようになって、いつしか私は製甲が好きになっていました。
 私にとって、もはやかけがえのない相棒なのです。