andante_jiyugaokaのblog

アンダンテ靴工房は東急東横線自由が丘駅から徒歩10分、東急大井町線緑ヶ丘駅から徒歩5分、東急目黒線奥沢駅から徒歩7分のところにあります。
靴作り教室とオーダー靴の工房です。

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以前、型紙で紹介しましたフルブローグの製甲です。
 靴はこうして平面から半立体へ、そして木型につり込むことによって立体へと変わってゆきます。



SDIM0367人の親切はいつまでも覚えていたいものです。

物件が決まってから3ヶ月経った今もそう思わせてくれるほど、この不動産屋のUさんは親切でした。

まず、仕事とはいえ、閉店時間を過ぎてからの対応に2時間近くも時間を割いてくれた事。
手作り靴の工房兼住居を借りたいという、こちらの要望を的確に捉えて、音の問題、人の出入りの問題、保証の問題、その他、内装、看板、電力、といった諸々の条件をクリアーできるよう、尽力下さった事。
そして、この物件をなんとか全ての条件を満たして、借りることができそうになった時、まるで自分のことのように嬉しそうだった事。
それら全ての対応が、今までの同職の方とは違っていました。

物件までの道中、話は物件のことだけにとどまらず、私が靴工房を立ち上げようとするに至るまでの経緯に始まり、以前、Uさん自身が物作りの仕事をされていたことがあって、その頃の充実していた話だとか、ちょうど今、Uさんの弟さんが音楽の世界に飛び込んで一心不乱に打ち込んでいる様子を見て、羨ましく感じながら応援しているというような話など、どれも見通しの利かない中で、ただ純粋に「それをやりたい。」という気持ち一つを拠り所にのびのびと奮闘することの楽しさが感じられるものばかりで、そういった話を聞いていると、そうばかりもしていられないと思いながらも、たまらなく爽快な気分になるのです。
あれから3ヶ月、Uさんは今、充実しているだろうか。緑道を行く中でふと見せた寂しげな表情が今も思い出される。

こうして、長かった物件探しは無事、幕を閉じ、現在へと至るのでした。

SDIM0372「自由が丘」。
これほど人々の理想をそのままに表現した街の名があるだろうか。
いたる所にカフェや雑貨を扱う店などがひしめき合う、今やおしゃれタウンの代名詞的な存在らしいこの街を、もちろん知らなかったわけではないけれど、その圧倒的なネームバリューゆえに探す前から予算オーバーを決めつけ、 候補にすらあげていなかったのです。

ふらりと駅を降りて、ただ足の向くままに歩いていました。
日も暮れて、ふと、通り過ぎようとした不動産屋の店頭に設置された大きなタッチパネルが気になり、気の向くままに物件を眺めていた時、突然、広さ良し、駅からの距離良しのこの物件が目に飛び込んできたのです。ハッとして家賃欄に目をやれば、そこには予算オーバーの数字が。「目に飛び込んできといて予算オーバーとは何だ。」最初はそう思いましたが、それが次第に「予算とは何だ。」に変化し、気がつけば、為せばなる為さねば云々、と呪文のように唱えながら、静かに予算修正されていくのでした。

人が人生を行く上で、決して口ずさんではいけないフレーズがあります。それは、
「どうせ自分には無理に決まっている。」

まぁ、そんなに大げさに考えたわけではありませんが、駅周辺を少し歩いただけで、その洗練された街並みは、駆け出しの靴工房の立地としては勿体ないくらいに思えましたし、東横線の特急が停まってくれるこの駅なら、横浜からのアクセスも比較的都合が良いだろうと思い、多少の苦労は承知の上で、この物件の詳細について訊ねるべく、閉店時間を過ぎたその不動産屋の中に入って行きました。

つづきは次回。

 

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